MESSAGE

トップメッセージ

MESSAGE FROM THE PRESIDENT

ものづくりの、その先にある価値を。

私たちのものづくりの原点には、ある小さな経験があります。

かつて受託開発に携わっていた頃、お客様に提案したシステムが、費用面の折り合いがつかず採用に至らなかったことがありました。必要とされているものがあるのに、コストが壁となって届けられない。そのもどかしさから、特定のお客様のためだけではなく、同じ課題を抱えるもっと多くの人に、気軽に、手軽に使っていただける製品をつくろうと考えました。

その挑戦から生まれた製品は、やがて多くの企業に利用されるまでになりました。この経験は、価値あるものを広く多くの人に届けたいという、今も変わらない私たちのものづくりの原点です。

私が研究開発において何より大切にしているのは、「人を理解すること」です。

どれほど優れた技術も、それを使う人の目的に応えられなければ、十分な価値を生み出すことはできません。人は何に困り、何を実現したいのか。その目的に至る過程で、どのような不便や不安を感じるのか。利用する人だけでなく、つくる人、支える人にも目を向け、深く理解することが、良質なものづくりの出発点だと考えています。

そして、品質とは単に機能を実現することだけではありません。目的を達成するまでの手順やわかりやすさ、効率、安全性、快適さにまで心を配ること。その一つひとつの積み重ねが、製品の価値を高めていきます。

だからこそ、私たちは「作れること」を出発点にして、作るものを決めてはならないと考えています。

社会にとって何が必要なのか。何をつくるべきなのか。その問いに向き合えば、今の自分たちには足りない知識や技術が必ず見えてきます。学び、試し、失敗し、また考える。研究と開発とは、その繰り返しによって可能性を広げていく営みです。

そして、大きな価値は一人の力だけでは生み出せません。

異なる得意分野を持つ仲間が互いを尊重し、ときには意見をぶつけ合いながら、共通の目的に向かって力を合わせる。私たちは、そんなチームでありたいと思っています。製品だけでなく、仕事の進め方や組織の仕組みそのものも研究の対象とし、一人ひとりが挑戦と成長にやり甲斐を感じられる環境を育てていきます。

今、AIをはじめとする技術の進化によって、ものづくりの可能性は大きく広がっています。つくるための手段が変わっても、誰のために、何を、どのような品質で届けるべきかを考え、その結果に責任を持つことの重要性は変わりません。私たちは新しい技術を積極的に取り入れながら、人と技術が互いの力を高め合う、これからの研究開発のあり方を追求していきます。

インクレイブR&Dは、インクレイブグループにおける価値創造の起点です。しかし、私たちの目線は常に、その先にいる社会の人々にあります。

ivalue SERIESをより多くの人に届け、やがて国や文化を越えて通用する製品と研究開発の力を育てていく。その挑戦を通じて、人々の生産性や創造性を高め、より豊かな社会の実現に貢献したいと考えています。

技術も製品も、時代とともに変わり続けます。それでも、人を理解し、仲間とともに成長し、社会に必要な価値を生み出し続けるという信念は、変わることなく受け継いでいきたい。

その信念が、一人ひとりの仕事に自然と息づく文化を育てること。それが、私たちの未来に向けた挑戦です。